カードローンは、アルバイト収入さえあれば誰でも気軽に利用できてしまう借金です。
※18歳未満の方は利用できません。
さらに、毎月の返済は定額(低額)でOKなので、金利や返済スケジュールを考えずに利用する人がほとんど。その結果、毎月返済した分だけ借入を繰り返し、いつまでたっても利用残高(元本)が減らず、ずーっと利息手数料を払い続けている人が多いと思います。
このような状態でもし返済を滞納したらどうなるでしょうか。滞納のペナルティは遅延損害金だけではありませんよ。
本ページでは「カードローンの危険性」について解説します。
カードローンを利用するメリット
カードローンは本当に危険なものなのかを検証するため、カードローンを利用するメリットについて考えてみましょう。
カードローンを利用するメリットは以下のとおりです。
- 無担保・無保証で利用できる
- 利用目的が自由
- 利用限度額内なら何度でも繰り返し利用可能
1つずつ見てみましょう。
無担保・無保証で利用できる
カードローンは、安定収入さえあれば無担保・無保証で利用することができます。つまり親や友人などを連帯保証人にする必要がありません。
そのため、アルバイト勤務している大学生やパート勤務の主婦でも誰でも気軽に利用することができます。
利用目的が自由
たとえば、自動車ローンや教育ローンは利用目的が制限されているため、自由に使うことができません。
一方、カードローンの利用目的は自由です。生活費の補填や旅行などの娯楽費など、さまざまな目的で利用することができます。
利用限度額内なら何度でも繰り返し利用可能
カードローンは契約した上限額の範囲内であれば再審査なしで何度でも繰り返し利用できます。
例えば上限額50万円の場合、限度満額を利用した後でも毎月の返済を続けると返済した分だけ利用限度額に余裕ができるため、再び借入することが可能になります。
【補足】カードローンのメリットには危険が伴う
カードローン会社やカードローンを利用をすすめるWebサイトでは「保証人なし」「即日入金」「1ヵ月利息ゼロ」などのメリットを宣伝しています。
とはいえ、カードローンは借金です。いくらメリットがあるからと言って気軽に借金をするのは危険です。
「カードローンでお金が借りれて助かった!」という人を見たことがありますか?
簡単に借りれる借金ほど“危険”ということは覚えておいたほうがいいでしょう。
カードローンの危険性
カードローンは、毎月安定収入がある人が一時的な出費を補填するために利用する程度なら便利なサービスです。
一方で、カードローンには以下の危険性があることを覚えておきましょう。
- 金利が高い
- 返済額が高額になりやすい
- 他のローン審査に影響する
- 滞納すると年率20%の遅延損害金が発生
- 滞納が続くとブラックリストに登録される
カードローンの危険性について、1つずつ見てみましょう。
金利が高い
カードローンの最大貸付金利は18%です。
以下の表に有名な消費者金融系カードローン5社の特徴をまとめれいるので参考にしてみてください。
貸付金利 | 利用限度額 | 即日融資 | 無利息期間 | |
レイクALSA | 4.5~18.0% | 500万円 | ○ | 最大180日間 |
アイフル | 3.0~18.0% | 800万円 | ○ | 最大30日間 |
アコム | 3.0~18.0% | 800万円 | ○ | 最大30日間 |
SMBCモビット | 3.0~18.0% | 800万円 | ○ | なし |
プロミス | 4.5~17.8% | 500万円 | ○ | 最大30日間 |
※スマホでご覧の方は左右にスクロールできます。
表の通り、貸付金利には幅が設定されていますね。最大金利が18%でも、最安金利で借りれば危険性が低いのでは?と思った人は要注意。
一般的に、カードローンは希望通りの金額で審査に通ることはほぼなく、結果的に20~100万円を貸付金利15~18%で借りるケースがほとんどです。
貸付金利18%で50万円借りた場合
- 返済回数:36回(3年)
- 毎月の返済額:18,076円
- 返済総額:650,721円
→ 利息手数料:150,721円
50万円借りた場合の利息手数料は、15万円以上になります。
そもそも「お金がない!」という状況で、毎月18,076円を返済できるかどうか、カードローンを利用する前にちゃんと考えたほうがいいでしょう。
返済額が高額になりやすい
カードローンの返済方法は毎月定額(低額)払いの残高スライド式リボルビング返済です。
例えば、先ほどの50万円を借りた例を振り返ってみると、借入した50万円(元本)に対して毎月の返済額は18,076円だけ。ただし、返済は3年間も続きます。
毎月の支払いが低額にできることは良い事のように感じますが、返済期間が長くなるほど(毎月の返済額を低くするほど)、最終的な返済総額は高額になります。
毎月の返済額、返済回数、返済総額(利息手数料を含む)の違いを以下の表にまとめていますので参考にしてみてください。
50万円を金利18%で借入した場合 | |||
毎月の返済額 | 24,962円 | 18,078円 | 15,125円 |
返済回数 | 24 | 36 | 46 |
返済総額 | 599,079円 | 650,721円 | 695,756円 |
例えば、毎月の返済額を15,125円にした場合、最終的な返済総額は695,756円になります。利息手数料だけで195,756円も返済しなければいけなくなるのでご注意ください。
上記のとおり、カードローンは毎月定額(低額)に押さえることができても、最終的に支払う金額は高額になる危険性があることは覚えておきましょう。
他のローン審査に影響する
カードローンを利用することで、他のローン審査が厳しくなることは覚えておいた方が良いでしょう。例えば、自動車ローンや新規のクレジットカードの契約ができなくなる可能性があります。
その理由は、カードローンの契約情報は以下の信用情報機関で記録・管理され、他社の金融機関やクレジットカード会社が参照できるようになっているためです。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
ただし、絶対に審査落ちする、という訳ではありません。
カードローンの利用が他社のローン審査に影響するのは、金銭的に余裕がない状況でカードローンを利用している場合です。
年収に対して適性額を利用しており、返済状況に問題がなければ、審査への影響は低いでしょう。
滞納すると年率20%の遅延損害金が発生
カードローンの貸付金利は最大18%。もし毎月の返済が遅れた場合は年率20%の遅延損害金が発生します。
例えば、借入残高が10万円ある時の返済を30日間滞納した場合の遅延損害金は以下のように計算されます。
このように思ったあなたは要注意。
滞納のペナルティは遅延損害金だけでありません。滞納を続けるともっとやばいペナルティが課せられるのでご注意ください。
滞納が続くとブラックリストに登録される
毎月の支払いの滞納履歴は、カードローン会社が加盟している信用情報機関(CIC, JICC)が管理する信用情報に記録されます。
つまり、“信用情報が傷付く”ということ。信用情報が傷付くことで、クレジットカード審査やその他ローン審査に影響します。
さらに、滞納期間が2ヶ月以上続いた場合、各信用情報機関の基準に従ってブラックリストに登録されます。
ブラックリストに登録される基準
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
→ 61日以上または3ヶ月以上の延滞をした場 - 株式会社日本信用情報機構(JICC)
→ 3ヶ月以上の延滞をした場合
なお、正式にはブラックリストというものは存在せず、信用情報に“異動”という情報が記録されることを「ブラックリストに登録された」という表現をしています。
ブラックリストは自己破産した場合にのみ登録されるペナルティではない、ということは覚えておいた方が良いでしょう。
カードローンの危険を回避して上手に利用する方法
カードローンは計画性をもって利用することでリスクを最小限に抑えることができます。
カードローンをご利用の際は以下の3点を意識してみてください。
- 借入金額は少額に抑える
- 繰上返済を利用する
- 支払いを延滞しない
では、1つずつ見てみましょう。
借入金額は少額に抑える
「カードローンは危険」と言われる理由の1つが金利です。金利が高いと利息手数料が大きくなるため、返済総額が増えますよね。
ただし借入金額(元本)が少なければ、金利が高くても利息手数料を最小限に抑えることができます。
例えば、以下の例をご確認ください。
借入残高(元本)が10万円の場合、月々の利息手数用は1,479円です。ただし、借入残高(元本)が5万円になると、月々の利息手数料は半分の739円だけ。
つまり、「必要以上のお金を借りない」ことでカードローンの危険性を低く抑えることがことができます。
繰上返済を利用する
カードローンは毎月定額(低額)の返済でOKですが、返済期間が長期化するため、最終的な支払い総額が高額になりがち。
ただし、カードローンの返済は“繰り上げ返済”が可能です。
余裕がある時に繰り上げ返済して借入残高(元本)を少なくすれば、利息手数料を大幅にカットすることができるため、返済地獄に陥る危険から逃れることができます。
支払いを延滞しない
カードローンを延滞すると金利20%の遅延損害金が発生します。ただし、延滞のペナルティは遅延損害金だけではありません。
延滞の履歴はすべて信用情報機関に記録され、その他の金融機関が参照できる状態になります。つまり、信用情報にキズが付くということ。
さらに、延滞期間が2ヶ月以上になればブラックリストに登録されます。
一度ブラックリストに登録されると最低5年間は記録が消えず、その間はクレジットカードさえ持つことができなくなります。
ブラックリストに登録されると、すでに契約中のクレジットカードが強制解約されその他のローンも利用できなくなり、ますます返済が苦しい状況に追い込まれます。
このような事態に陥らないためにも、“毎月の支払いは延滞しない”ことが大切です。
まとめ:カードローンは使い方を間違うと危険!ご利用は計画的に
カードローンは安定収入がある人が「急な出費で現金が必要」という時に利用するなら便利なザービスです。
ただし、カードローンを日常的に利用するのは危険。ほとんどのカードローン利用者が自転車操業に追い込まれ、返済に苦しんでいます。
カードローンを利用すれば遅かれ早かれ返済地獄に陥り、カード破産するリスクが高まります。
カードローンの危険性
- 金利が高い
- 返済総額が高額になりやすい
- 他のローン審査に影響する
- 滞納すると金利20%の遅延損害金
- 滞納が続けばブラックリストに登録される
カードローンの返済が苦しくなっても、別の借金をして返済にあてる“自転車操業”はやっちゃダメです。
もし、友達や先輩、家族に相談できるなら助けてもらうことをおすすめします。
ただし、相談できる相手がいない場合は弁護士や司法書士の法律の専門家に相談してみてください。